
世田谷美術館へ収蔵品展<難波田史男展>を見に行きました。
会場へ行って知ったのですが、同時期にオペラシティでも父親の難波田龍起の作品とともに収蔵品展をしているようです…。うーん、そっちのがお得??
難波田史男はこれまで知らなかった作家でした。近所の掲示板に今回の展示のポスターが貼ってあったのが気になっていて、その後図書館でもポスターを見かけてちゃんと絵を見たら、実物が見たくなったのでした。
一見ほんわかした色が現代風でもあるんだけど、ちょっとミロっぽい部分もあり…。クレーらしさが含まれてるとパンフレットに書かれていたけれど、クレーみたいなしっかりした理性は感じられなかったです。それよりもミロのような、子供時分に見たら思わずドキッと怖くなるような不調和なかんじ。調和・不調和は置いといて、どちらにせよ父親の影響を色濃く感じられました。(父親は調和をかんじるのでクレーよりかも。その前にそもそもクレーの影響を受けたかどうか知りませんが。)
前半の作品のほとんどが大きく描くところと細かーく描くところの差があって、ポスターじゃ気がつかなかったのですが実物を間近でみるとその細かい部分の病的な線の細さと筆致と闇から見つめるような目が…正直少し怖い。時代なのか、絵の中にときどきどこかキャラクターじみた形の登場人物もいます。
パンフレットの略歴から同級生の自殺や学生運動による疲弊などが特筆されていて、基本的にどこか奥底に不安定さを抱えていたのかなぁと思いました。そう思うと、あの黒インクのかんじはミロっぽいというよりも現代のグラフィティに似た雰囲気があるのかも。大きくて長ーい作品も、塗り方は雑でも隅々まで最初から終わりまで描き終えるパワーも。若くして不慮の事故で亡くなられたわけだけども、その先、生きていたらグラフィックデザイナーの仕事もしていたかもしれない。
けど後半の作品になるにつれ、色のトーンが濁ってきて暗くなって来ます。なんでだろう?現代風だと思った画風ではなくなっていて、それまで使って来た色と違うものを選んで。
展示の最後に長かった作品<モグラの道>のつづきはどうなってる?という、<モグラの道>のその先をみんなで描いて行くコーナーがありました。こういうの楽しいですね!でも出来ればこの場合紙は徐々に足してったほうが良かったんじゃないか?、というくらいの描き込まれようでした。たまにこの手のコーナーがあるけど、もう描くスペースがない場合や隅々まで描かれすぎて見た目が悪くなるのが落ちですよね。そして残念な気持ちになったりします。
*画像は<夢の国>1961年