
待ちに待った公演がついにやってきた。
クラシックのオーケストラを聞く為に自らチケットを取るのは始めてのことだった。
ひとりで行くよりは、と思い、一ヶ月遅れの母の日という口実で母親も誘って行くことにしていた。
途中、3人組のジャケ写に思いっきり「Jass」と書いてあるCDを指指して「オーケストラ」と言い切った我が母にガックシしたりもしたが、なんとか当日になった。
場所は大宮ソニックシティの大ホール。意外にも初めて行く。
待ちに待ったコンサートはピアニストであり指揮者でもあるウラディーミル・アシュケナージとイタリアのパドヴァ管弦楽団のコンサートだ。といわれても正直よく分かってないんだけども、アシュケナージは偶然買ったラフマニノフのCDがたまたまアシュケナージのピアノで、しっくりくる良いかんじの演奏だったのでちょっと期待…いや多大な期待をして心待ちにしていた。
この人のピアノなら、私が小学生〜中学くらいまで毎日聴いていたショパンを再現できるかもしれない。結局あの小学校の放送委員が流していたショパンは誰が弾いたものなのか、今も分からないままなのだ。
で、曲目はというと
■モーツァルト オペラ「フィガロの結婚」序曲
■モーツァルト ピアノ協奏曲 第17番 ト長調 K.453
■ベートーベン ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 op.37
の計3曲。
う〜ん、どれもどんな曲が思い出せない。それか聴いたことないか。
ホールに入ってみると、ピアノが見た事もない位置にあってビックリした。
アシュケナージは本日、指揮者兼ピアニストなので、オケのほうへ身体が向いて無ければならないのだ。というわけで、ピアノは指揮者のいる位置ど真ん中に、観客に対して横向きではなく真正面(真後ろ?)に置かれていた。分かります?アシュケナージの背中を見る状態というわけ。
そのせいかオケはなんだかとてもコンパクト。奥に長い立ち位置だったみたいだ。
ビーッと合図がなって、しばらくしてからオケの人たちがわらわらと出て来た。
コンマスは楽団創設以来ずっとコンマスをしているというおじいちゃん。でも隣にいる青年がどうも野心家風の出で立ち。なんだか人間模様を想像してしまう。気を付けて、おじい!!
そしてその隣には周囲のことなんてどうでもいいという顔をしたナルシストっぽい人。その顔に違和感。手塚治虫の絵の中にひとりだけおかだあーみんの絵が混ざり込んだ風だ。世界名作シリーズ絵本の「あごの王子様(絵:ピッカ)」みたいだった。
最後にアシュケナージが登場。1曲目のモーツァルト「フィガロの結婚」序曲は指揮に徹した。
はぁ〜これが指揮者かぁ。モーツァルトは協奏曲だからか(?)わりと平和なかんじのゆったりした曲調。2曲目も同じようにそんなかんじだった。途中モーツァルトが飼っていたという文鳥の声が入ったりして(フルートで)、そういうとこに音楽の美術的な要素を感じて楽しいなぁと思う。
でもどうやら私は苦悩っぷりや葛藤っぷりが現れてる曲のが好きなようで、モーツァルト2曲はわりと感情移入がないまま終わってしまった。平和ぼけ…。本当はどうか知らないけども。
2曲目のモーツァルトと3曲目(最後)のベートーベンはアシュケナージの指揮&ピアノの見せ所だった。初めてみる荒技!実際ベートーベンもこんなふうに指揮とピアノを一緒にやってたことがあるそうだ。このときはコンマスの活躍の場だった。頑張れおじい!みんながコンマスをチラリと見る。隣の野心家が、コンマスより早くに行動したり、ひとり派手な演技してたりしたのが気になる。今思うと顔はトルシエ似。年齢も同じくらい。
最後のベートーベンは交響曲だったから(?)かハッキリした演奏。こっちのが聴きやすいのかも私…。うーん。気が場所に負けたのかしら。
それにしても思っていたよりもスタンディングオーベーションって出来ないものだ。なかなかに。
公演後、アシュケナージのサイン会があったのだけど、台風の影響が出ないうちにアシュケナーじは大阪へ移動しなくちゃならないらしく、サイン会は30分程度の時間限定だった。
人がすごすぎてサインに並ばなかったのはいうまでもない。それにこのあと私は地元で婚約した友人と会うことになっていたのだ。でもチラッとアシュケナージを確認。すんごい黙々と生産的にサインをしてる…。
私としてはアシュケナージはラフマニノフのが良かったな。
そいういう意味で今度は知ってる曲を聴きに行きたいなー。
*後日談
プログラムを見たらベートーベンも協奏曲だった。あっれー?さすが音楽不通。
協奏曲ってなんぞや!?
道のりは長い…。